どんな病気か知りたい

症状・原因

ファブリー病は、遺伝子の変化によって、からだの中にある酵素の構造に変化が生じ、酵素のはたらきが足りなくなることにより起こります。
そして、本来酵素によって分解されるはずのものが、からだの中にたまり、さまざまな症状が現れます。

遺伝子に変化がない場合

遺伝子に変化がある場合

ファブリー病マメ知識

ファブリー病は、1898年、ドイツの皮膚科医ファブリー博士と、英国の皮膚科医アンダーソン博士によって初めて報告されました。

症状

ゆっくりと進行する病気で、全身にさまざまな症状が現れます。

子どもの頃に現れやすい症状や、大人になってから現れやすい症状があり、現れる症状は人によって違います。

からだのどの部分でどのような症状がみられるのか、確認してみましょう

※主な症状を記載しています。クリックすると症状について詳細が表示されます。すべての症状が現れるとは限りません。

神経系の症状

手足の痛み、手足末端の感覚異常子ども大人
痛みが数分から数時間持続します。手足に拡がる激しい痛みが周期的に繰り返されますが、痛みが消える期間(間欠期)があります。痛みは2歳頃より現れ、運動、発熱、暑い気候で引き起こされます1)
痛みが消える間欠期のある痛みの症状とは別に、手足が熱くてひりひりしたり、ずきずきしたりする症状が持続します。毎日続くこともあり、通常は午後の遅い時間帯に生じます1)
めまい大人
自分または周囲のものが回転しているような感覚になることがあります1)
認知症大人
脳の血管に酵素が分解できなかったものがたまることによると考えられます1)

眼の症状

渦巻き状の角膜のにごり子ども大人
角膜(黒目の部分)に灰白色で渦巻き状のにごりが確認されます。
幼児期より現れることが多いですが、視力には影響がないといわれています1)
水晶体のにごり大人
水晶体(黒目の後ろにあるレンズの部分)の中央から周辺に向かって四方八方ににごりが拡がることがあります1)
白目の血管の拡張・蛇行大人
白目(結膜)の血管がソーセージ様に拡がったり、くねくねと曲がったりすることがあります1)
網膜血管の拡張・蛇行大人
網膜の血管がソーセージ様に拡がったり、くねくねと曲がったりすることがあり、出血がみられることもあります1)
視力の低下大人
目の症状で視力が低下することは稀です。しかし、網膜に栄養を届ける動脈が詰まることによって低下することがあります1)

耳の症状

難聴・耳鳴り子ども大人
酵素が分解できなかったものが内耳(耳の一番内側の部分)にたまり、内耳のはたらきを果たせなくなり、耳の聞こえが悪くなることがあります1)

心臓の症状

心肥大大人
心臓の細胞に酵素が分解できなかったものがたまり、心臓の壁が厚くなります。病気の進行とともに、血液を全身に送るポンプの働き(収縮機能)に障害が出たり、心不全などを発症したりします。若い頃にはみられないことが多いです1)
不整脈大人
心臓のポンプのはたらきを管理している細胞に酵素が分解できなかったものがたまり、さまざまな心電図の異常や不整脈を生じます1)

腎臓の症状

尿タンパク子ども大人
中学生頃になると、アルブミンというタンパク質が少しだけ尿に現れることがあります。30代になると腎臓の機能が低下し、尿にタンパク質が現れることが多くみられます1)
腎機能の低下子ども大人
思春期では、必要な水分を血液中に戻す腎臓のはたらきが低下し、異常に喉が渇き、夜寝ている間にトイレに行きたくなることがあります。30代になると、血液中の必要なものをからだに戻し不要なものを捨てる機能が低下することがあります1)
腎不全大人
40~50代になると、男性の患者さんの約半数で、血液中の必要なものを戻し不要なものを捨てる機能がはたらかなくなってしまいます1)

胃腸の症状

下痢・腹痛子ども大人
ファブリー病の早期症状としてよくみられます1)
吐き気・嘔吐大人
酵素が分解できなかったものが脳の血管にたまることによって起こると考えられます1)

皮膚の症状

発汗低下または多汗子ども大人
酵素が分解できなかったものが汗の出るところや自律神経にたまることによって、汗が少なくなったり、稀に多くなったり(女性に多い)すると考えられています。6歳頃より現れ、子どもの症状として多くみられます1)
赤い発疹子ども大人
被角血管腫(ひかくけっかんしゅ)といい、痛みやかゆみはありません。小学生頃から0.1mm位の大きさの点状の赤い発疹が主に胴体に発生し、消えずに残ります。次第にその数が増え、ドーム状に盛り上がり、数十年経つと1~5mm大となります。出血することもあり、大きくなると止血しづらくなりますが、通常は圧迫のみで止血できます1)

ファブリー病の症状は、パンフレットでも確認できます。

男性は症状によって古典型と遅発型のタイプに分けられます。女性はヘテロ接合型というタイプです。

性別 男性 男性 女性
分類(タイプ) 古典型 遅発型 ヘテロ接合型
特徴 子どもの頃から症状が現れることが多く、ファブリー病の典型的な症状(神経因性疼痛や被角血管腫など)が全身に現れるタイプです。その症状の重症度には個人差があります。 発症年齢が比較的遅いタイプです。症状が現れ始めた初期の頃は、症状が現れるのは一部の臓器に限られる場合があります。 古典型のように典型的な症状が現れる場合もあれば、ほとんど症状が現れない場合もあります。

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原因

なぜ体内の物質が分解できなくなってしまうのか?それは遺伝子の変化に原因があります。

遺伝子の変化は誰でも持っています。例えば、お酒を飲んですぐ赤くなる人とそうでない人がいます。これは、お酒を分解するための酵素(タンパク質)を作るための設計図(遺伝子)に変化があるためです。ファブリー病も遺伝子の変化がかかわっています。

遺伝子に変化がある場合

遺伝子に変化があり、形の不安定な酵素が作られる場合② 遺伝子に変化があり、形の不安定な酵素が作られる場合③ 遺伝子に変化があり、形の不安定な酵素が作られる場合④ 遺伝子に変化があり、形の不安定な酵素が作られる場合⑤ 遺伝子に変化があり、形の不安定な壊れやすい酵素が作られる場合① 遺伝子に変化があり、形の不安定な壊れやすい酵素が作られる場合② 遺伝子に変化があり、形の不安定な壊れやすい酵素が作られる場合③ 遺伝子に変化があり、形の不安定な壊れやすい酵素が作られる場合④ 遺伝子に変化があり、形の不安定な壊れやすい酵素が作られる場合⑤ 遺伝子に変化があり、酵素が作られない場合① 遺伝子に変化があり、酵素が作られない場合② 遺伝子に変化があり、酵素が作られない場合③ 遺伝子に変化があり、酵素が作られない場合④ 遺伝子に変化があり、酵素が作られない場合⑤

ファブリー病では「α-ガラクトシダーゼA(α-Gal A)」という酵素を作るための設計図(GLA遺伝子)が変化しています。そのため、α-Gal Aが作られなかったり、作られてもはたらきが弱かったりします。また、ライソゾームにたどり着く前に分解されてしまうこともあります。
すると、ライソゾームの中で「グロボトリアオシルセラミド(GL-3またはGb3ともいう)」という物質を分解することができなくなるか、分解する力が弱くなります。
分解されなかったGL-3は体内にたまり、それがからだの負担となり、さまざまな症状を引き起こします。

遺伝子に変化がない場合

遺伝子に変化がない場合② 遺伝子に変化がない場合③ 遺伝子に変化がない場合④ 遺伝子に変化がない場合⑤

遺伝子に変化がない場合、GL-3は分解されて、からだのエネルギーとして再利用されます。

ファブリー病マメ知識

ファブリー病を含むライソゾーム病は、50種類以上の疾患があり、厚生労働省の指定難病に認定されています。
難病とは、発病のしくみや治療方法がはっきりしていない希少な病気で、長期にわたり療養を必要とするものです。指定難病は医療費助成の対象となります2)

参考文献

  • 1)ファブリー病診断治療ハンドブック編集委員会 編. ファブリー病診断治療ハンドブック改訂第3版:イーエヌメディックス, 2018
  • 2)難病情報センターホームページ https://www.nanbyou.or.jp/entry/4141

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