ファブリー病との付き合い方が知りたい

日常生活の工夫

進行を抑える治療を続けながら、痛みの発作を引き起こしやすい行動に注意したり、からだにやさしい生活習慣を身につけたりするなど、日々の生活を上手に工夫して快適に過ごしましょう。

日常生活でのポイント

ここでは、日常生活でのさまざまな工夫の一部をご紹介します。

ファブリー病の症状には個人差があります。すべての患者さんに当てはまる工夫ではありません。

  • 出かけるとき

    出かけるとき

    急な温度・湿度の上昇が痛みの発作のきっかけになることがあります1)。外出するときは炎天下などを避け、涼しい場所を移動するようにしましょう。

  • 寝るとき

    寝るとき

    疲れやストレスが痛みの発作のきっかけになることがあります。睡眠を十分にとって疲れをためないようにしましょう1)2)

  • 運動するとき

    運動するとき

    運動が痛みの発作のきっかけになることがあります1)。急に体温を上げすぎないよう適度な運動を心がけましょう。

    心配な場合は主治医に相談しましょう。

  • 入浴するとき

    入浴するとき

    急に体温が上がると痛みの発作が起こることがあるので1)2)、注意しましょう。

  • 食事するとき(腎臓の機能が低下している場合)

    食事するとき(腎臓の機能が低下している場合)

    タンパク質や塩分を摂りすぎないよう注意し、腎臓にやさしい食事を心がけましょう。

  • 通院や服薬について

    通院や服薬について

    スマートフォンや携帯電話のリマインダー機能を活用したり、服薬カレンダーをつけたりして、通院や服薬を忘れないようにしましょう。

    服薬は主治医の指示に従ってきちんと続けることが大切です。

患者さんからこんな工夫も聞きました

  • 夏場は冷感タオルや凍らせたドリンクを持ち歩くなど、暑さ対策をしています。
  • 夏場寝苦しい場合は、接触冷感マットなどを利用し、熱がこもらないようにしています。手足だけ冷やしたい場合は、小さな接触冷感マットを枕元や足元に準備しています。
  • 熱さまし用冷却シートや瞬間冷却剤、凍らせたドリンクなどを活用して、からだに熱がこもらないようにしています。
  • 暑さだけでなく、寒さによって痛みの発作が起こることがあります。寒さ対策に、秋ごろから手袋やカイロを持ち歩いたり、厚手の靴下を着用したりします。

このページの先頭に戻る

こんなときどうする?

  • 災害が起こったとき

    災害が起こったとき
    • 各自治体で、治療を中断できない難病患者さんを支援するしくみが設けられています。いざというときにどう避難するのか家族や主治医と相談しておき、お住まいの市町村や保健所などの連絡窓口も確認しておきましょう3)
    • 災害時持ち出し袋に、水、保険証のコピーなどを用意しておきましょう3)。薬やお薬手帳は、すぐに持ち出せるところに置いておきましょう。
    • 災害時には、指定難病の医療受給者証を提出できなくても、氏名、生年月日および住所を伝えれば受診できることがあります。緊急時には指定医療機関以外でも受診できます4)
  • 引っ越すとき

    引っ越すとき
    • 引っ越す前に主治医に相談して、引っ越し先から通院可能で、ファブリー病の治療を受けられる医療機関を紹介してもらいましょう。
    • 指定難病や小児慢性特定疾病の医療費助成の手続きは自治体ごとに異なるため、転出元(元のお住まい)に変更の届け出をするとともに、転入先(引っ越し先)の自治体窓口や保健所で新規申請をしましょう5)6)
  • 近くに専門の医療機関がない場合

    近くに専門の医療機関がない場合
    • 近くに専門の医療機関がなく、通院が難しい場合は診断を受けた医師に相談してみるとよいでしょう。
  • 旅行するとき

    旅行するとき
    • 体調管理に気をつけて、旅行を楽しみましょう。長期の旅行の場合は主治医に相談しましょう。
    • 海外へ行く場合は、どのような薬をどのような病気・症状で服用しているのか、英語で説明できる文書を準備しておくとよいでしょう。薬の種類によっては事前に持ち込み、持ち出しの手続きが必要なものもあるため、主治医に相談しましょう7)

参考文献

このページの先頭に戻る