つながるファブリーコミュニティ専門家インタビュー
ファブリー病の患者さんの就労を支援
お答えいただいたのは…
難病患者就職サポーターはどんな活動をしているんですか?
難病患者さんの症状の特性を踏まえたきめ細やかな就労支援を行っています。
就職を希望する難病患者さんを対象に、患者さんの症状を踏まえた就労に関する相談、職業紹介などを行っています。相談に来られる方のうち、約7割は継続して支援をしている方です。
また、就職後の職場定着に向けた支援や、事業主に向けた難病情報や雇用管理のノウハウ、助成金、支援制度などの周知・啓発活動や、採用支援なども行っています。
その他、医療面や生活面も含めた総合的な支援のために、難病相談支援センターや保健所などの関連機関と連携もしています。
どこへ行けば相談できますか?相談時に必要なものはありますか?
難病患者就職サポーターが配置されている各地域のハローワークにお越しください。
難病患者就職サポーターは、各都道府県内のハローワークのうち、1~2か所に配置されています。どのハローワークに配置されているかは、厚生労働省ホームページ「難病患者の就労支援」から確認ができます。
最寄りのハローワークや難病相談支援センターなどで出張相談を行っている場合もあるので、詳しくはお住まいの都道府県のハローワークに問い合わせてください。
相談費用は公的機関なのでかかりません。対面以外での相談ができるかどうかは各地で異なると思いますが、大阪府の場合は、対面、予約制での相談を原則としています。
相談時には病名を確認できる書類をお持ちください。
病名を確認する必要があるので、医療費受給者証もしくは病名がわかるものをお持ちください。
ハローワークを利用したことがある方はハローワーク受付票(ハローワークカード)もお持ちください。
ファブリー病の患者さんではどのような就労支援を受けられるのでしょうか?
さまざまな支援を受けることができます。
私たち難病患者就職サポーターは、ファブリー病の患者さんを含め、広く難病の方を支援しています。
働き方を知りたい、使える社会資源や制度を知りたい、難病でも働きやすい会社があるのかを知りたいなど、具体的な相談はもちろん、相談内容がまとまっていない場合でも、一人ひとりの状況に合わせた支援の活用を患者さんと一緒に考えています。
ファブリー病などの難病のある方が、長期的に職業上の制限があったり困難を抱えていたりする場合、障害者雇用促進法による雇用支援制度や、障害者総合支援法による就労系福祉サービスなどの対象となります。
障害者手帳を持っている方は、障害者雇用促進法で企業に課せられている障害者雇用義務の対象になるため、就職の際に考慮されるなどの違いはありますが、それ以外のさまざまな制度やサービスは、障害者手帳の有無にかかわらず利用することができます。
これから仕事を探す場合、どんな相談ができますか?
活用できるサービスや制度をご説明し、その方の状態に合った働き方を一緒に考えます。
就労にあたって配慮が必要な事項を整理し、その方の状態に合った働き方を一緒に考えながら、就職活動の支援を行います。
短期間のトライアル雇用を通して、難病患者さんが実践的能力を身に着け、常用雇用に移行できるように支援する「障害者トライアル雇用」や、就労支援ノウハウを持ったジョブコーチを職場に派遣し、難病患者さんの職場適応を支援する「ジョブコーチ支援」といった制度などもあるので、事業主側にも適宜説明し、雇用につながるよう支援します。
医療機関から難病患者さんの相談を受けることもあります。就労への漠然とした不安のある方が見通しを立てて治療に取り組み、タイミングよく就職活動に臨めるよう、情報提供も行っています。
仕事を続けるのが難しく感じた場合も相談はできますか?
仕事の継続や転職に向けて情報提供したり、雇用主との話し合いを支援したりします。
ファブリー病の患者さんでは、定期的な通院はもちろん、暑い場所に耐えられない、思わぬタイミングで手足の痛みが生じる等、仕事に影響があり、続けるのが難しいと感じることがあるかと思います。
私たちは、今の仕事を続けるために必要なことや、転職のメリット、デメリットについて、患者さんと相談しながら整理し、使える支援や制度を説明しています。
必要に応じてお勤めの会社に出向いて、事業主と患者さんの話し合いを支援することもあります。働きやすい環境整備*がスムーズに進むよう支援するのもサポーターの仕事です。
医療機関とも連携し、主治医に診断書を依頼したり、診察に同行して、会社での状況を説明したりすることも行っています。
*障害者雇用促進法により、事業主には、障害者の差別禁止および合理的配慮の提供義務が課せられています。