つながるファブリーコミュニティ専門家インタビュー

ファブリー病の診断と受容

“ファブリー病の診断と受容”について

大阪大学大学院の 酒井 規夫 先生にお聞きしました。

お答えいただいたのは…

酒井 規夫 先生

大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻

統合保健看護科学分野

生命育成看護科学講座 成育小児科学研究室

教授 酒井 規夫 先生

Q ファブリー病を診断するための検査はいつ受けられますか

A

初診時では病気や治療法、検査について説明し、2回目以降の受診で検査が受けられます。

ファブリー病の診断では、まず症状からファブリー病を疑い、酵素活性の測定や遺伝子検査に進みますが、確定診断の手がかりとなるこれらの遺伝学的検査は通常は最初からは行いません。まずは、ファブリー病という病気や治療法のこと、遺伝性であることなどについて説明し、遺伝学的検査を受けるとはどういうことなのかを知っていただきます。その上で、本当に診断を希望される場合、もう一度来院していただいて検査に進むようにしています。

Q すぐに検査を受けるべきですか

A

ご自身にあったタイミングで検査を受けましょう。

診断がつくことで、適切な治療を受けられるというメリットがある一方で、遺伝性の病気であることを一度知ってしまうと、知らなかったときに戻ることはできないというデメリットがあります。家族関係やライフプランに思いのほか大きな影響を与えるかもしれません。
診断を受けるかどうか迷われたら、ある程度ゆっくり考えながら病気のことを知っていただき、医師と相談しながらご自身にあったタイミングで検査に進むというのもひとつの方法です。

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Q 確定診断を受けることの利点はなんですか

A

適切な治療を受けられることです。

現在は、対症療法だけでなく、酵素補充療法やシャペロン療法(薬理学的シャペロン療法ともいう)のような進行を抑える治療も受けることができます。特にシャペロン療法は遺伝子の変化により適用になる場合とならない場合があるので、遺伝子検査が必要となります。
また、親がファブリー病と診断されている場合、お子さんにもファブリー病の原因となる遺伝子の変化が伝わっている可能性があります。そのため、お子さんに対しても、ご両親と相談しながら適切な時期に診断を勧め、治療に進むといった長期的な支援をすることができます
患者会に行き、同じ病気を持った多くの仲間に出会い、話をすると、お互いに励みになることも多いようです。患者会の紹介なども行っています。

Q ファブリー病と診断されたことを患者さんはどのように受け容れているのでしょうか

A

病院では、受け容れるための支援を行っています。

ファブリー病と言われてショックを受けない方は、おそらく一人もいないのではないでしょうか。感情をその場で出せる方もいれば、内に秘める方もいます。受け止め方もそれぞれです。
そのため、ファブリー病の遺伝学的検査を受けた場合は、結果を伝える際にあわせて遺伝カウンセリングを受けていただいています。遺伝カウンセリングでは、遺伝にかかわる悩みや不安、疑問などを持たれている患者さんやご家族に十分な情報を提供し、ライフプランをご自分で選択できるようなお手伝いをします。

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患者さん、ご家族へのメッセージをお願いします

酒井先生

酒井先生

ファブリー病は確かに遺伝性の病気かもしれませんが、人間には遺伝的多様性があります。ファブリー病も、多様性、個性のひとつと捉えてみてはいかがでしょうか。
家族間での遺伝のことなので、親を恨みたい気持ちになることもあるかもしれませんが、親がいたおかげで手遅れにならずに早い段階で診断ができたと考えてみてはいかがでしょうか。家族でほかにファブリー病の方がいる場合は、病気のことをよく理解してくれる方が周りにいてよかったと、捉えていただけたらと思います。
また、子どもに病気が遺伝していたらと悔やまれる気持ちを持たれている方もおられるかもしれません。しかし、ファブリー病について誰よりもよくわかっているのは患者さんご本人ですので、お子さんに症状が現れてきてもきっとスムーズに対応できるでしょう。そんなあなたのところに生まれたお子さんは幸せなのだということを知ってください。

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