つながるファブリーコミュニティ
患者さんとご家族の声
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患者本位で接してくれる医師との出会いに感謝
健診で不整脈を指摘されたことをきっかけにファブリー病の診断に至り、すみやかに酵素補充療法を始めました。診断から治療開始までのあゆみと医療者への思いについて、お話を伺いました。
診断の先に見えた光明
ファブリー病と診断されるまでの経緯を教えてください。
職場の定期健診で不整脈が見つかり、精密検査をすすめられたのがきっかけでした。最初に受診した病院では心臓専門の先生にとても丁寧に診察していただきましたが、不整脈の
原因はわかりませんでした。
先生から「もっと詳しい検査をしたほうがいいですね」と
現在通院している病院を紹介していただき、遺伝子検査などを受けて、ファブリー病であることがわかりました。
職場の定期健診で不整脈が見つかり、精密検査をすすめられたのがきっかけでした。最初に受診した病院では心臓専門の先生にとても丁寧に診察していただきましたが、不整脈の原因はわかりませんでした。
先生から「もっと詳しい検査をしたほうがいいですね」と現在通院している病院を紹介していただき、遺伝子検査などを受けて、ファブリー病であることがわかりました。
診断結果を聞いたときは、どのようなお気持ちでしたか?
診断結果は、循環器内科の先生から聞きました。
ファブリー病にも詳しい先生で、現在の主治医でもあります。ファブリー病という希少な病気だと告げられて、普通であればショックを受けるところだと思いますが、私の場合はむしろ「安心した」という感情のほうが大きかったかもしれません。
そこには、小学生の頃から足の痛みに悩まされてきた長男の存在があります。痛みを訴える長男とともにいくつもの病院の整形外科を受診しましたが、10年近くもの間、原因はわからないままでした。痛みがひどいときは眠ることもご飯を
食べることもできず、生きることがつらいとさえ口にすることも……。私がファブリー病と診断され、説明を受けているとき、ふと思ったんです。「息子の足の痛みも、
ファブリー病が原因では?」と。
私も息子と同じように、幼い頃から手足の痛みを感じていました。私にとっては痛みがあるのが当たり前で、「みんな
痛いんだろう」と思っていたため、さほど気にしていませんでした。痛むところに冷たいものを当てると楽になる、という対処法もわかっていましたので、親に話すことはほとんどありませんでした。だから、長男が最初に痛みを訴えたときにも「成長痛だよ」と気に留めず、その後も痛がる度に
「大丈夫、大丈夫。気持ち、気持ち」なんて言ってしまっていました。
検査の結果、長男もやはりファブリー病でした。私自身がどうこうというよりも、長男の痛みの原因がやっとわかった、これで治療ができる、光明が見えた……。その安心感が大きかったと思います。
診断結果は、循環器内科の先生から聞きました。ファブリー病にも詳しい先生で、現在の主治医でもあります。ファブリー病という希少な病気だと告げられて、普通であればショックを受けるところだと思いますが、私の場合はむしろ「安心した」という感情のほうが大きかったかもしれません。
そこには、小学生の頃から足の痛みに悩まされてきた長男の存在があります。痛みを訴える長男とともにいくつもの病院の整形外科を受診しましたが、10年近くもの間、原因はわからないままでした。痛みがひどいときは眠ることもご飯を食べることもできず、生きることがつらいとさえ口にすることも……。私がファブリー病と診断され、説明を受けているとき、ふと思ったんです。「息子の足の痛みも、ファブリー病が原因では?」と。
私も息子と同じように、幼い頃から手足の痛みを感じていました。私にとっては痛みがあるのが当たり前で、「みんな痛いんだろう」と思っていたため、さほど気にしていませんでした。痛むところに冷たいものを当てると楽になる、という対処法もわかっていましたので、親に話すことはほとんどありませんでした。だから、長男が最初に痛みを訴えたときにも「成長痛だよ」と気に留めず、その後も痛がる度に「大丈夫、大丈夫。気持ち、気持ち」なんて言ってしまっていました。
検査の結果、長男もやはりファブリー病でした。私自身がどうこうというよりも、長男の痛みの原因がやっとわかった、これで治療ができる、光明が見えた……。その安心感が大きかったと思います。
将来のリスクを考慮し、治療開始を決断
ご自身の診療方針について、医師とはどのような話をされたのでしょうか?
最初に聞いたのは、現時点で確認できる症状は生活には支障がないレベルの不整脈と心肥大のみだが、これらが悪化して心臓の負担が大きくなると、将来的には生命の危険があるかもしれないということでした。診断された時点で私は30代半ば、夫と3人の子どもがいて、仕事もしています。この先の人生を考えたら、すぐにでも治療を始めたほうがよいのではないか、と思いました。
治療について、先生からは「ファブリー病は希少難病ですが、今は進行を抑える薬が開発されています。ただ、治験やこれまでの使用経験ではいくつかの副作用が確認されていて、その一部が出現する可能性もあります」と、きちんと
説明していただきました。
最後に決めるのは、自分自身。夫に相談すると、間髪を入れず「治療法があるのであれば、受けたほうがよいのではないか」と。夫のことばが背中を押してくれて、治療を始めることを決断しました。
ファブリー病の治療法には点滴で投薬する酵素補充療法と
飲み薬によるシャペロン療法の2通りがあること、私の
ファブリー病はシャペロン療法を行うことはできないタイプであることも、先生から教えていただきました。本当に
ファブリー病って難しいですよね。私の現在の状態と将来のリスク、治療法の存在とその副作用まで、包み隠すことなく真摯に説明してくださり、その上でじっくり考える時間をいただけたことがありがたかったです。
最初に聞いたのは、現時点で確認できる症状は生活には支障がないレベルの不整脈と心肥大のみだが、これらが悪化して心臓の負担が大きくなると、将来的には生命の危険があるかもしれないということでした。診断された時点で私は30代半ば、夫と3人の子どもがいて、仕事もしています。この先の人生を考えたら、すぐにでも治療を始めたほうがよいのではないか、と思いました。
治療について、先生からは「ファブリー病は希少難病ですが、今は進行を抑える薬が開発されています。ただ、治験やこれまでの使用経験ではいくつかの副作用が確認されていて、その一部が出現する可能性もあります」と、きちんと説明していただきました。
最後に決めるのは、自分自身。夫に相談すると、間髪を入れず「治療法があるのであれば、受けたほうがよいのではないか」と。夫のことばが背中を押してくれて、治療を始めることを決断しました。
ファブリー病の治療法には点滴で投薬する酵素補充療法と飲み薬によるシャペロン療法の2通りがあること、私のファブリー病はシャペロン療法を行うことはできないタイプであることも、先生から教えていただきました。本当にファブリー病って難しいですよね。私の現在の状態と将来のリスク、治療法の存在とその副作用まで、包み隠すことなく真摯に説明してくださり、その上でじっくり考える時間をいただけたことがありがたかったです。
対話を重ねて、芽生えた思い
治療を始めることに対して、不安はありましたか?
もちろんありました。ですが、出現する可能性がある副作用について、あらかじめ先生から詳しく説明を受けていましたので、平常心で臨めたと思います。
酵素補充療法を始めた後、副作用と思われる症状が出たこともありましたが、事前に説明していただいていたため、
不安に包まれるようなことはありませんでした。
もちろんありました。ですが、出現する可能性がある副作用について、あらかじめ先生から詳しく説明を受けていましたので、平常心で臨めたと思います。
酵素補充療法を始めた後、副作用と思われる症状が出たこともありましたが、事前に説明していただいていたため、不安に包まれるようなことはありませんでした。
伝えにくいようなことも含めて丁寧に説明してもらえたことで、医師への信頼感が高まったということもありそうですね。
そうですね。よくわからないことが残されているのであれば、すぐには治療を始めず、様子を見るという選択肢も私にはありました。先生はその選択肢も提示した上で、現在の治療法は製薬会社が治験に協力してくれた患者さんたちとともに開発してきたものであること、治療法は今後、さらに
進歩していく可能性があることも、お話しくださいました。先生との対話を重ねるうちに、私の中に「今できるベストの治療を受けておいたほうがよい」という思いが芽生えた気がします。
そうですね。よくわからないことが残されているのであれば、すぐには治療を始めず、様子を見るという選択肢も私にはありました。先生はその選択肢も提示した上で、現在の治療法は製薬会社が治験に協力してくれた患者さんたちとともに開発してきたものであること、治療法は今後、さらに進歩していく可能性があることも、お話しくださいました。先生との対話を重ねるうちに、私の中に「今できるベストの治療を受けておいたほうがよい」という思いが芽生えた気がします。
希望を伝えて、治療スケジュールを調整
診療方針に関して、ご自分の希望をお伝えになったことはありますか?
仕事の都合を優先したいという思いもあり、定期的な治療を継続できるのか、最初は不安でした。病院によっては、
患者都合よりも病院の都合を優先せざるを得ないこともあると聞きます。先生に希望を伝え、仕事が休みの土曜日に
治療を受けることにしてもらえたのは助かりました。
それでもなお、仕事の都合でどうしても2週間ごとの
通院ペースを守ることが難しい場合があります。先生には
その度に「いいですよ、自分のペースで。続けるのが肝心です」と、柔軟に対応していただいています。日程調整を相談するときも「いつでも待っていますよ」という姿勢で話を
聞いてくださっているのが伝わるので、気負いすぎることなく治療を継続できています。
仕事の都合を優先したいという思いもあり、定期的な治療を継続できるのか、最初は不安でした。病院によっては、患者都合よりも病院の都合を優先せざるを得ないこともあると聞きます。先生に希望を伝え、仕事が休みの土曜日に治療を受けることにしてもらえたのは助かりました。
それでもなお、仕事の都合でどうしても2週間ごとの通院ペースを守ることが難しい場合があります。先生にはその度に「いいですよ、自分のペースで。続けるのが肝心です」と、柔軟に対応していただいています。日程調整を相談するときも「いつでも待っていますよ」という姿勢で話を聞いてくださっているのが伝わるので、気負いすぎることなく治療を継続できています。
患者さんと医療者がともに考え、診療方針を決めるシェアード・ディシジョン・メイキング(Shared Decision Making;SDM)という意思決定の方法について、どのようにお考えでしょうか?
現時点ではファブリー病を完治させられる特効薬はなく、
長く治療を継続することになります。病院の先生やスタッフの方々とのお付き合いも長くなるわけですから、信頼関係を築くことがとても大切だと感じています。
私の場合、不整脈の検査からファブリー病の診断、そして
現在の治療に至るまで、患者本位で接してくれる先生方に
出会えたことが大きかったです。ファブリー病の診断を受け止め、前向きに治療に臨むことができているのは、患者の
話に耳を傾けてくれる先生方に診ていただいたおかげだと思っています。
現時点ではファブリー病を完治させられる特効薬はなく、長く治療を継続することになります。病院の先生やスタッフの方々とのお付き合いも長くなるわけですから、信頼関係を築くことがとても大切だと感じています。
私の場合、不整脈の検査からファブリー病の診断、そして現在の治療に至るまで、患者本位で接してくれる先生方に出会えたことが大きかったです。ファブリー病の診断を受け止め、前向きに治療に臨むことができているのは、患者の話に耳を傾けてくれる先生方に診ていただいたおかげだと思っています。
関連資料
患者さんが医療者とともに決める診療方針
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