どんな病気か知りたい

遺伝・家系図を調べる

ファブリー病は、親から子へ伝わる遺伝性の病気です。ファブリー病の遺伝について知ることは、患者さんだけでなく、ご家族の健康管理や早期診断にも役立ちます。

親の遺伝子に変化がなくても、子どもの遺伝子に変化が起こって発症することもあります。これは突然変異と呼ばれ、頻度は6.8%と報告されています1)

遺伝

ファブリー病の遺伝を理解するカギは「X染色体」。
染色体とは、親から子にまとまって伝わる遺伝情報のセットです。X染色体は性別を決定する性染色体で、性別によって持っている数が異なります。

男性
女性

ヒトの細胞の核の中には通常、23対(46本)の染色体があり、その中の1対が性別を決定する「性染色体」です。男性はX染色体とY染色体という性染色体を1本ずつ(XY型)、女性はX染色体を2本(XX型)持っています。つまり、男性はX染色体を1本しか持っていないことになります。

ファブリー病の原因となる「α-ガラクトシダーゼA(α-Gal A)」という酵素を作る設計図(遺伝子)は、X染色体に書き込まれています。そのため、性別によって遺伝の仕方が変わってきます2)

X染色体 遺伝子(設計図)

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お母さんが変化のある遺伝子を持つ場合、性別を問わず50%の確率で伝わります2)

お母さんが変化のある遺伝子を持つ場合、性別を問わず50%の確率で伝わります

男の子も女の子も、お母さんの2本のX染色体のうちどちらかを受け取ります。お母さんのX染色体の片方に変化のある遺伝子が含まれている場合、それを子どもが受け取る確率は2分の1です。つまり、50%の確率で、お母さんから子どもへ変化のある遺伝子が伝わります。お母さんのX染色体の両方ともに変化のある遺伝子を含んでいることは、ほとんどありません。

お父さんが変化のある遺伝子を持つ場合、女の子には伝わりますが、男の子には伝わりません2)

お父さんが変化のある遺伝子を持つ場合、女の子には伝わりますが、男の子には伝わりません

男の子は、お母さんからX染色体を、お父さんからY染色体を受け取ります。そのため、お父さんのX染色体に変化のある遺伝子が含まれていても男の子には伝わりません。一方、女の子は、お母さんとお父さんからX染色体を1本ずつ受け取ります。つまり、女の子は、必ずお父さんの持つ変化のある遺伝子を含むX染色体を受け取ることになります。

両親のどちらも変化のある遺伝子を持っていなくても、子どもに遺伝子の変化がある場合もあります。

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家系図を記入してみよう

家族や親戚の中にファブリー病と診断された方やファブリー病に関連する症状を持つ方がいることは、ファブリー病を診断する上で重要な情報になります。診断された方の上下三世代(祖父母から孫の世代まで)の家系図を書いてみることで、ファブリー病の可能性のある家族や親戚の方に、早期診断、早期治療を受けていただくきっかけを作ることにもつながります2)

こちらの家系図テンプレートをダウンロードして、記入してみましょう。記入ができたら、主治医と相談してみてください。遺伝やファブリー病について詳しく知りたい、話をしたいといったときには、必要に応じて、遺伝カウンセリングも活用してみましょう。

家系図を記入してみよう

家族みんなで話してみよう

ファブリー病はほとんど知られていない病気のため、正しく診断されず、痛みなど具合の悪い原因がわからずに苦しんでいる方も多くいると考えられます。早く診断して治療につなげるために、ファブリー病の可能性のある家族と話し合うことは大切なことです。
年末年始やお盆など、親戚が集まるタイミングで家系図を書きながら病気について一緒に話してみるのもひとつの方法です。

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遺伝カウンセリング(遺伝のことで悩んだときの相談先)について

家族とうまく相談できなかったり、遺伝のことがよくわからなかったりしたときには、一人で悩まないで、遺伝カウンセリングを利用してみるとよいでしょう。

遺伝カウンセリング(遺伝のことで悩んだときの相談先)について

遺伝カウンセリングって?3)

遺伝カウンセリングとは、遺伝のことで悩んだときに、医学的な情報をわかりやすく伝えてくれ、悩みを解決するためのお手伝いをしてくれるところです。また、十分に話を聞いてくれた上で、自分で問題を解決していけるように支援をしてくれます。

具体的にはどんなことが相談できるの?3)

遺伝に関係したことなら、なんでも相談できます。
例えば、
「親がファブリー病だけど、自分も同じ病気になるのかな」
「子どもが欲しいけど、病気が伝わることが心配だな」
「パートナーに病気のことをどのように伝えたらよいか」
など、遺伝についての不安を遺伝カウンセリングの専門家(臨床遺伝専門医・認定遺伝カウンセラー®)が聞いてくれます。

どこに行けば遺伝カウンセリングが受け入れられるの?3)

かかりつけの医療機関がある方は、まずはそちらで相談されるとよいでしょう。
相談先がわからない場合は、全国遺伝子医療部門連絡会議のホームページにある「遺伝子医療実施施設検索システム」で遺伝カウンセリングを実施している施設を調べることができます。

参考文献

  • 1)Kobayashi M, et al. Mol Genet Metab Rep. 2014; 1: 283-287.
  • 2)ファブリー病診断治療ハンドブック編集委員会 編. ファブリー病診断治療ハンドブック改訂第3版:イーエヌメディックス, 2018
  • 3)日本遺伝カウンセリング学会ホームページ http://www.jsgc.jp/faq.html
  • 酒井 規夫 先生

    監修:大阪大学大学院医学系研究科

    保健学専攻 統合保健看護科学分野
    生命育成看護科学講座 成育小児科学研究室
    教授 酒井 規夫 先生

  • 佐藤 友紀 先生

    監修:大阪大学医学部附属病院 遺伝子診療部

    認定遺伝カウンセラー 佐藤 友紀 先生